子どもが不登校になったらまずやることは2つ
お子さんが不登校になったときに、保護者はまず何をすべきなのでしょうか?
文部科学省も「不登校は誰の身にも起こりうる」と明言しています。
まずは深呼吸して落ち着きましょう。
そして、ゆっくりと、当事者であるお子さんに「わかった。学校を休もう」と伝えてください。
それから、2つのアクションを起こしましょう。
今日は、そのアクションについて、わたしの経験をもとにお話をしますね。
- 子どもが「学校に行きたくない」と言い出した!
- 子どもの学校行かない宣言は「自分は瀕死の状態です」申告と思ってください
- 保護者がやることは2つ
- 情報を取るときのポイント
- 同士とつながる方法
- 「ひとりじゃない」のはあなたも同じ
子どもが「学校に行きたくない」と言い出した!
お子さんが「学校へ行きたくない」と言って、学校を休むようになったとします。
そういう事態を具体的に想定していない方がほとんどでしょうから、保護者は焦りや混乱に見舞われるでしょう。
でもとりあえず、落ち着きましょうね。
はい、深呼吸~~(*´ω`)
「なんで?」「いつ登校を再開するの?」「勉強遅れちゃうじゃない」という言葉が口から飛び出そうになりますが、その答えはおいおいわかりますから、今は脇に置きましょう。
子どもの学校行かない宣言は「自分は瀕死の状態です」申告と思ってください
……落ち着きましたか?
お子さんは、やっとの思いで「学校に行きたくない」と打ちあけて、今は心身ともに疲れ切っています。
学校を休んで、
ずっと寝ている。
ゲームばかりしている。
ダラダラしている。
見た目は怠惰にしか見えなくても、戦場から瀕死の状態で帰ってきたのと同じと考えてください。
(学校は戦場じゃないでしょー? というツッコミはなしでお願いします。当事者はそれくらいの危機的状態だという説明のための比喩です)
さらに、家にいるということは、家は少なくとも安心できる巣足り得ているということです。
そのことを喜びましょう。
世の中には、本当に悲しいことですが、家が安心できる場ではないという子どもも大勢います。
保護者がやることは2つ
さて。
ここから保護者がやることは2つです。
1.情報を取りに行く
2.同士(仲間)とつながる
この2つだけです。
あとは、取りに行った情報と、つながった同士たちが、あなたを次の場所へ連れて行ってくれます。
逆に、これをやらないと、まずはお子さんを受け止めるべき保護者がいつまでも無用な不安にとらわれ、お子さんを苦しめます。
また、学校と話し合うにしても孤軍奮闘で消耗する可能性が高いです。
情報を取るときのポイント
「不登校=問題行動」というベクトルはNG
情報は「ネット」がいちばん手っ取り早いでしょう。
「不登校 支援」「不登校 団体」「不登校 定義」などで検索してみてください。
ただし気をつけていただきたいのは、不登校は今でも「問題行動」という見方がまだまだ強く、ネット上で「不登校支援」をうたっている情報でも「なんとか学校へ戻す」「学校の代わりを探す」というベクトルが多い点です。
今は文部科学省ですら、「不登校は問題行動」という考え方を一切捨てています。
2017年に教育機会確保法という法律が成立して、「個々の不登校児童生徒の休養の必要性」を法律で認めたのです。
(教育機会確保法にはまだまだ足りない部分もたくさんありますが、今までの国の不登校への対応の経緯からすると前進と言えます)
最初から「元に戻す」方向へ進もうとすると、お子さんをさらに追い詰めて、地獄を見ることになる可能性が非常に高いです。
ほうほうのていで戦場から帰ってきた人を、なんとか戦場に戻そう、戦場の代わりになる場所に連れて行こう……とはしませんよね。
まずは心身ともにゆっくり休ませます。
それと同じです。
不登校のことをニュートラル、受容的に教えてくれる情報を
まずは、「不登校とは何なのか」を正確に、ニュートラルに、受容的に教えてくれる情報を探してください。
不登校の当事者による団体、または不登校の当事者が自分らしく生きられるように支援をしている団体のホームページなどが、いいでしょう。
ただし、評判のよくない団体もありますから、要注意です。
検索エンジンで最初に出てくるページだけでなく、2~3ページは見出しに目を通されることをおすすめします。
お住まいの自治体名と合わせて検索すると、地元や近隣の支援団体が出てくるかもしれません。
探すのと読むのとに少し根気がいりますが、文部科学省のホームページにも不登校に関する資料はあります。
もちろん、本から情報を得てもいいです。
まずは地元の図書館で調べてみてください。
意外と不登校ジャンルの本は置いてあります。
(わたしが住む青木村の図書館にもありました!)
わたしがおすすめするのは、
1.日本で唯一の不登校・ひきこもり専門紙「不登校新聞」のホームページ
3.AI-am(アイアム)のホームページ
です。
おすすめ情報源1「不登校新聞」
ホームページで誰でも読める情報として、「当事者の声」「親のための不登校Q&A」があります。(1カ月の無料お試し購読のための登録が必要です)
まずはここを読まれることをおすすめします。
購読したい場合は、紙版とネット版から選べます。
紙を選んだ場合、他の人に「不登校新聞」ということがわからないように配送してくれるサービスも選べます。
わたしはこの新聞をすぐ購読して、すごく救われました。
まず、不登校を一切否定的に扱っていないこと。
そして、当事者の矛盾、悩みをふんだんかつ丁寧に扱っていること。
隅から隅まで不登校の当事者と保護者に寄りそう内容で、著名人や専門家へのインタビューも載っています。
不登校関連の政治の動向についての記事が載ることもあり、情報のアップデートには最適です。
わたしがいちばんうれしかったのは、最終面に各地の親の会の開催情報が載っていることでした。
おすすめ情報源2「東京シューレ」
「東京シューレ」はフリースクールやホームエデュケーション(家庭での教育・学習)がメインですが、不登校そのものについても活動をしています。
不登校に対して否定的な見方がみじんもなく、不登校やフリースクールのイメージを変えてくれるだけの情報量と30年以上の蓄積があります。
ちなみに「不登校新聞」の代表理事である奥地圭子さんは、「東京シューレ」「登校拒否を考える会」の代表でもあります。
おすすめ情報源3「AI-am」
こちらは、個人(母娘)で運営しているサイトです。
デモクラティックスクール(サドベリースクール)のスタッフ経験がある母・よっぴーさんと、小~高まで公教育を受けずに大学に行った娘・まりんさんが、不登校やこれからの「学び」について、実体験や情報の発信を続けています。
ホームページでは、おふたりの投稿がたくさん読めるので、気になるところから読んでみてください。
Facebookでオンラインサロンも運営しています。
でも最後は自分の目で確かめてね
現時点で、わたしの経験に基づいてこの3つのサイトをお勧めしましたが、これがすべてではありません。
ぜひ、ご自分の目でよく確かめられることをおすすめします。
同士とつながる方法
不安に心を支配されないために、
悩まなくていいことで右往左往しないために、
学校との話し合いを後悔の嵐にしないために、
そしてお子さんを無用に傷つけないために、
同じような立場の人とつながることを、強くおすすめします。
できればリアルで。
「親の会」を探してみる
まずは「親の会」につながってみるのはいかがでしょうか。
「親の会」については、「不登校新聞」の最終面に、各地の親の会開催情報が載っていると前述しました。
ここでチェックしてもいいですし、支援団体に問い合わせてみてもいいでしょう。
また、お子さんの学校を担当しているスクールソーシャルワーカーに尋ねるのも手です。(スクールソーシャルワーカーは社会資源の情報提供も仕事のひとつです)
自治体の子ども支援や教育関連の窓口で尋ねる方法もあります。
とはいえ、小さな自治体だとハードルが高いかもしれませんね。
その場合は、近隣の大きい自治体で電話で尋ねてみてはいかがでしょうか?
ネット上のサロンもある
リアルでのつながりが難しければ、ネットのサロンもあります。
例えば、東京シューレが運営している「ホームシューレ」では、親会員専用交流サイトが用意されています。
会員になる必要はありますが、クローズドかつ全国に仲間がいる空間なので、安心感があります。
また前出の「AI-am」でもFacebookのオンラインサロンを運営しています。
こちらはまだできて日が浅いですが、よっぴーさん&まりんさんのお人柄もあって、非常にリラックスできる場、さまざまな気付きを得られる場になっています。
無理せずにいられる場を選ぼう
ちなみに、わたしはリアルの「親の会」は2か所行きました。
ひとつはたまたま友人が参加していた地元の会。
もうひとつは、長野市で長く続いている会。
地元の会はできたばかりで、知っている人も少ないです。
こんなふうに、ネットや公的な情報にも上がっていない親の会もあります。
長野市の会は、なにしろ長くやっているので蓄積があります。
具体的に困っていることがあったときに相談に行き、話を聞いてもらってアドバイスをいただき、本当に助かりました。
会には、まず顔を出してみて(個人相談を受け付けているなら最初はそれを利用する手も)、素直にホッとできる場・メンツならば、あなたに合う会である可能性が高いです。
無理のない範囲でつながってみてはいかがでしょうか。
逆に「居心地が悪いなぁ」「イヤなこと言われちゃったなぁ」という場合は、しがみつかず、他を当たりましょう。
「親の会」の空気感とは?
わたしが「親の会」に出てみて感じたのが、会が目的化しておらず、それぞれが出会う場になればいいというゆるやかな空気があることです。
だから、義務的なことや強制がありません。(場所代・運営費として少額支払うことはあります)
話したいことがあれば顔を出して、そうでなければ来なくてもちろんOK。
会員になるならないも、ご自由に。
そんな感じです。
子どもの不登校で打ちのめされたり、消耗したりする保護者は多いです。
親の会でまで、窮屈な思いをしたり無理をしたりはお互いしたくないよね、という雰囲気です。
もちろん、そうではない会もあるでしょう。
実際、相談に行ったらかえってお説教めいたことを言われてヘコんだ……という方もいます。
自分に合うかどうかは、よーく見てみてください。
最初「いいなー」と感じても、違和感が出てくれば無理に付き合うことはありません。
距離を置いてもよし、さっさと離れるもよし、です。
「親の会」は学校じゃないからね!
無理して行かなくていいのですから。
あっ、学校も無理して行かなくていいんですよー。
「ひとりじゃない」のはあなたも同じ
なにしろ、不登校の当事者は小・中だけで12万人超もいるのです!
高校生まで入れると17万人。
ということは、その保護者・関係者・支援者もかなりの数いるということです。
どこかに必ず、あなたにとってジャストサイズでベストタイミングな場があるはず。
きっとあなたをエンパワーメントしてくれる人たちがいるはずです。
自殺に追い込まれそうになっている子、不登校の子に対してよく言われる「あなたはひとりじゃない」という言葉は、その保護者にもそのまま当てはまります。
どうか、ひとりでなんとかしようとしないでください。
「情報」と「仲間」。
それが、きっとあなたを助ける頼もしい武器になってくれます!