中間教室その後(半年経ちました)
長男が中間教室に通うようになって、半年が経ちました。
――中間教室とは?
中間教室というのは、どうも長野県内独特の用語のようですね。
上田市では「ふれあい教室」と呼ばれています。
佐久市だと「チャレンジ教室」だそうです。
おそらく全国的には、「適応指導教室」というような名前で呼ばれているのではないでしょうか。
全国的な名称である「適応指導教室」も、今は「教育支援センター」と名前が変わってきているようですね。
さすがに「適応指導」はねぇ……。
露骨というか、身もふたもない感じですもんね。
さて、その中間教室です。
長男にとっては幸い、今のところ「嫌なことが何もない」(最高か!)という、ストレスフリーな場所になっているようです。
平日はだいたい毎日通っています。
行かない時というのは、
・何となく気がのらない
・『月刊コロコロコミック』(小学館)の発売日(隅から隅まで熟読したいので)
・映画を見に行く(映画が朝イチなら観終わった後に行くことも)
くらいでしょうか。
長男が通っている中間教室は、朝9:30に開室して、15:30までいることができます。
長男は9:30に行って、「迎えは15:30きっかりでお願い」と滞在時間が最長になるようにしたいようです。
いつも、ポケモンの大きいリュックにお弁当と水筒、それからゲーム機やマンガ本などいろんなものを詰め込んで出かけています。
長男が半年間通ってみて、私が感じたことを「ココがいい!」「ココが残念!」に分けて挙げてみたいと思います。
ココがいい!①強制がない
何といってもココが! 最高! ですよ!
好きなことをして過ごすことができます。
長男は、ゲームやマンガなどを持って行っています。
あとは、教室にあるマンガや本を読んだり、他の人とバドミントンをしたり、カードゲームをしたり、スライムを作ったり……という具合に過ごしているようです。
勉強したい子は、ドリルなどを使って勉強をしているようです。
そういうお子さんの要望にもこたえてくれるのはいいですよね。
ココがいい!②先生方が穏やか&朗らか
長男が通っていた学校では、対応がとにかくがっかりの連続だったので、「いい感じの先生ってどこの世界の話よ?」と思っていましたが、中間教室の先生は穏やかで朗らかな先生ばかり。
たまたまかもしれませんが、ベテラン先生ばかりです。
この3月までは先生が3人でした。
うち、ひとりが3月末で退職、ひとりが異動、ひとりが残留、となりました。
4月からは、新しく男性の先生がふたり来られました。
今度もまた穏やか&朗らかな先生で、先生は変わっても雰囲気はあまり変わることなく通えています。
先生の異動の頻度がどれくらいかわかりませんが、在籍年数が短いと、変化が苦手なお子さんにはしんどいかもしれませんね。
先生も子どもも人数が少ないので、長男から細かい話を聞かずとも、先生方の感じがよく伝わってきます。
夫は「ああ、先生というのは教育者なんだな」と、この中間教室で初めて感じたそうです。
(長男が先生のメガネを不注意で壊してしまったことがあり、その対応を見ていて、そう感じたみたいです)
先生は「私たちも〇〇くん(長男)のおかげで楽しませてもらっています」という言い方をよくします。
おべっかなどではなく、長男と過ごす時間を本当に楽しんでいること、そして長男の個性や良さを理解してくださっていることが伝わってきて、とてもうれしい気持ちになります。
ほんのひとことですが、心がじわーっと温かくなるのです。
ココがいい!③仲間がいる
「友だちはつくるものではなく自然にできるもの、なんならいなくてもよし」というのが前提ではありますが、それでも仲間がいるとできることが増えるし、分かち合う楽しみも出てきます。
長男と似たような年の小学生が何人か来ています。
送迎の時に挨拶する程度ですが、あまり無理がないというか、その子のままでいる感じです。
バレンタインデーにはチョコレートを持ってきてくれた子がいたので、ホワイトデーに私がマフィンを焼いて、「みんなでおやつに食べてよ」と長男に持って行ってもらいました。
お茶の時間みたいな感じで、先生も子どもも一緒におやつを食べることもあるみたいで、それもいいなぁと思っています。
小学生から中学生まで来ることができるので、中学生のお兄さんやお姉さんとも交流しているようです。
中学生は、定期考査を中間教室で受けられます。
その時はさすがに、小学生は静かに過ごしてね~ということになります。
ココが残念!①開室時間が短い
9:30~15:30なので、共働きやシングルペアレントのご家庭は利用が難しいなと、すぐに思いました。
学校は保育園とは違うとはいえ、開室時間がネックになって、通いたいけど通えない人がいるとしたら残念すぎると感じています。
放課後は学童という手もありますが、学校に行っている子と同じ学童は行きにくいという子どももいるだろうし、中間教室のすぐ近くに学童があるわけではないので、あまり現実的ではありません。
そもそも、中間教室は広い上田市内に5か所しかないので、歩いて通えるほど近くにない場合が多いのではないでしょうか。
わが家は夫婦ともに在宅で仕事なので、時間の融通がかなりききます。
だから送迎ができていますが、そういうご家庭ばかりではない、というか、そういう家庭のほうが今は珍しいのではないでしょうか。
小5になったらひとりでバス通学という選択肢もできるかなと考えていますが、それまでは大人の送迎が必須です。
ココが残念!②たぶん、予算があまりない
先生方の工夫で、できる限りのことをしてくださっていますが、恐らく予算は少ないのではないかと、建物や備品を見ていて感じます。
古いことや足りないことは、必ずしも悪いことではありません。
知恵と工夫で解決するのも大事なことです。
それでも、お金の問題でできないこともあるのではないかと思います。
中間教室は縛りがない分、いろんなことができる可能性があるだけに、予算はある程度つけてほしいナァ……と勝手ながら思っています。
たとえば、希望者だけでいいんですが、「今日は映画を見に行こう」「サントミューゼに展示を見に行こう」「『犀の角』に演劇を見に行こう」「化石を掘りに行こう」「川に泳ぎに行こう」なんてこともできますし、アーティストやその道の専門家を呼んでワークショップをやる、なんていうこともできます。
考えるだけでワクワクしてきますね~。(私が通っているわけではないのだが)
ココが残念!③先生や他の親と話す機会がほとんどない
私はときどき、ほかの親御さんとも話をしてみたいなぁと思うことがあります。
もっというと、先生とも話をしてみたいなぁと思うことが。
もちろん改まってということではなく、ざっくばらんにおしゃべりしたいだけです。
もちろん、そういうことを一切望んでいない人もいるでしょうから(夫は望まないタイプ)、これは私が勝手に残念に思っているというだけの話です。
いつでも温かく門戸を開いていてほしい
行政としては、中間教室に来る子どもがあまり増えても困る、というのが本音かもしれません。
「学校行きたくない? いいよいいよ」というほどさばけた先生も、教育行政関係者も、まだまだかなりの少数派だと思うので。
「やっぱり一条校」という考えが強いでしょう。
それでも、学校には行きたくない/行けないけど、こういう場所なら行ってみたいな、というお子さんは、多くはなくとも一定数いるのではないでしょうか。
そういう子どものために、いつでも温かく門戸を開いていてほしい。
ある種のサンクチュアリといいますか、安心して自分らしくいられる場所であり続けてほしいと、心から願っています。
学校に通わない、通っていないお子さん全員におすすめできるわけではありません。
合わないというお子さんも当然いるでしょうから。
長男もそのうち飽きてしまうかもしれないし、ずっと行くかもしれないし、まったくわかりません。
私にとっての中間教室は、学校に通うよりもむしろ、教育とは何か、学びとは何かを感じさせてくれる貴重な場所です。
望んでもいないのに、学校や教師、公教育への不信感で心を埋め尽くされてしまった私に、そうではない場所と人がいるのだということを教えてくれた場所でもあります。
(幼稚園児の弟たちが学校に行きたいと言うならば、最初から中間教室をすすめたい!)
中間教室の先生方と、長男と一緒に時間を過ごすお子さんたちへの感謝は、ずっと忘れないでしょう。
心から感謝しています。