不登校ってなんだ?
上:不登校児童数推移(文部科学省)。グラフは「家庭教師のジャンプHP」http://www.jump-japan.com/truancy/school-refusal-statistics.phpより引用
学校教育の総元締め、文部科学省によると
「不登校児童生徒」とは「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」
と定義されています。
ここから読み取れるのは、不登校の原因が生徒個人によるものと限定されていることです。
「社会的要因・背景」というところに、学校が原因であることも含まれていると強弁できなくもないですが、やはり違和感があります。
不登校に関係する調査として、「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」というものがあります。
2016年までで50回も続いている調査です。
この調査は、1966(昭和41)年度の「不登校」(注:当時は「学校ぎらい」と呼ばれていた!)に関する調査に端を発します。
不登校は日本の学校教育においてそれなりの歴史があるトピックであることがわかります。
とはいえ、公的にはずっと「問題行動」として扱われてきて、当事者からすると違和感・疎外感・隔靴掻痒(かっかそうよう)感だらけであることは、今も変わりません。
以下の記事に、その問題点が書かれています。
ぜひ読んでみてください。
不登校に対する世間のイメージは、まだまだネガティブです。
幸い我が家のケースでは
「子どもがいじめられて学校を休んでいる」
「学校をやめた」
と話したときに、
「それじゃダメ! 行かせないと!」
と言われることはありませんでした。
「休ませてあげて」
「今は別の道もあるから」
と声をかけてくださる方ばかりでした。
学校に通わせ続け、子どもが自らの命を絶つという事件が何度も報道され続けていることがあるのかもしれません。
日本の子どもの死因1位は「自殺」です。
(15~39歳において。10~14歳では「自殺」は3位。平成21年の厚生労働省のデータより)
つい最近も、茨城県取手市でいじめが原因で自殺した中学生について、取手市の教育委員会は「いじめの事実はなく、重大事態に該当しない」と言い続け、文科省からの指導で対応を180度改める、ということがありました。
大勢の犠牲の上でようやく、ということですから「人が死なないと変わらないのか」と苦々しい気持ちになるのが正直なところですが……。
もちろん、当事者や関係者のさまざまな活動も奏功して、見方が変わってきたこともあるでしょう。
亀の歩みかもしれませんが、確実に意識は変わってきていると感じています。
かくいうわたしですら、何も知らなかったときには不登校にネガティブなイメージを持っていたことを告白します。
不登校についてのニュース、当事者や専門家のインタビューなどを目にして、自分の考えを改めていきました。
ネットで「不登校 原因」と検索すると、
「問題行動」「いかに学校に戻すか」という観点が目立ちます。
それを見ていると、本人というよりは、保護者(大人)の不安が大きいように感じます。
学校に通わなくても、ぜんぜんだいじょうぶ。
当事者も関係者も、そしてそうでない人も、心からそう思えるようになってほしい。
その思いを燃料に、書いていきます。