ホームエデュケーション生活が1週間経ちました<後編>
上:長男がiPadで描いた絵。水と炎の戦いだそうです。
ホームエデュケーション生活が1週間経った我が家。
夫(どびさん)へのインタビュー、後編をお届けします。
――最初に「学ぶことへの渇望感」という言葉が出てきたけど、そこをもう少しくわしくお願いします。
長男は、学校でいじめがあったり、先生への不信感があったりで、学校はつまらないという感覚がしみついている。
その悪影響なのか、本人の性質なのかはわからないけれど、何かを勉強するということに対して興味や欲が見えないんだよね。
「できた! もっと先に行きたい」という感じはまったくないから、それではとこちらから与えると「めんどくさい」になってしまう。
今やっていることは基礎の基礎だからどうしても魅力に欠けるし。
興味や欲を引き出す何かをぶつけないと、「これだ!」という手ごたえは得られないかもしれないな……。
まあ、ぼくが近道を狙いすぎているのかもしれない。
基礎は最短でとっとと済ませて、本人の興味のあることを広く深く掘っていく……というふうに持っていきたいんだけどね。
――教科書は使わないの?
使わない。
学習指導要領にのっとって勉強を進める気はないから。
それに、今の教科書は、素人目にもあまりよくできていないように感じるなー。
特に算数。
教科書だけでは予習もできないようなつくりになっているんだよ。
読み物っぽくなっていない。
――国語・算数以外の教科は?
長男は図画工作が好きだよね。
午後の時間は、そういうこともやりたいと思っているよ。
図工、音楽、体育は、学校から離れたほうがもっと面白くやれるんじゃないか、と期待はしてるんだ。
自分自身「もっと系統立った知識があるとより楽しめるのにな」と前から感じていたから、いっしょに楽しんで学びたいな。
本人の興味が向かう先を見るのにも、こういったジャンルはいいかもしれないね。
――HEをやっていて見えてきた長男の個性ってある?
納得しないと絶対に前に進めない人。
「父ちゃんが一生懸命やってるから、しゃーない、付き合うか」と譲歩してくれるときもあるけど、それはやっぱり長続きしないねー(苦笑)。
――HEを実践してみての感想は?
うーん、万人に通じるとは思えないなー。
完全オーダーメイドだから。
下の双子もまたぜんぜん違うことになるんじゃないかな。
結局、年長者がどれだけ手を抜かないでやるかが問われるんだよね。
じつは、やる前は「仕事の片手間でできるか」と気軽に考えていたけど、そうは問屋が卸さなかった(笑)。
まだ7歳だし、「これやっといて」じゃぜんぜんできない。
時間をはかったり、漢字の書き順を見たりと、手と目をかけてやらないと意味がないし、本人も納得しない。
年長者が真面目に取り組まないとできないなー、と痛感しているよ。
だから、人にはおいそれとすすめられないかな。
ただ、すごく贅沢なことをやっているという実感もあるね。
試行錯誤しながらできるのはおもしろい。
まあ、自分ができなかったことをHEでうまいことやれるかもな、という色気もあるんだけどね(笑)。
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いかがでしたでしょうか。
あくまで、どびさんから見てどうか、という話です。
しかもハウ・ツーではないので、あまり参考にはならないでしょう。
それでも、学びの本質に触れるところがチラッチラッと垣間見えるなー、とわたしには感じられました。
お世話になっている方が「凡事徹底」という言葉を贈ってくださいました。
地味なこと、地道なことを徹底してやることは難しいです。
でもそれをやり通すと、思いのほか遠くまで行けるようです。
長男は
・わりとなんでもすぐできてしまう
・でも、できないとあっさり諦める
というところがあります。(わたしに似ていて、見ててつらい……)
短所を無理に直す必要はないけれど、「やり通す力」は人生においてやっぱり大事なスキルだよなぁ……とも思っていて、そこは課題のひとつだと感じています。
あせらずたゆまず、3人4脚で楽しくやっていきますね!